私は華僑です。日本生まれ育ちですが、両親が中国出身です。そんな私がなんとなくHSK6級を受けた感想を残しておきます。
※HSKとは、漢語水平考試(Hanyu Shuiping Kaoshi)の略で、中国政府が運営する中国語の能力を測る試験です。英検みたいなものです。1級から6級まで(近いうちに9級まで追加されるらしい)があり、数字が大きくなるほど難しくなります。公式サイトによれば、「中国語の情報をスムーズに読んだり聞いたりすることができ、会話や文章により、自分の見解を流暢に表現することができる。[1]」とされています。
12月4日にHSK6級を受けました。結果が出るには1ヶ月かかるみたいですが、多分落ちました。そもそもなぜ受けたのか、それは完全な気まぐれです。もともと自分自身の中国語力に関しては、中国人が運営する中国料理店に通っていたり、家では中国語を話していたり、家で親が常に爆音で中国語ニュースを流していたり、中国語の記事をそれなりに読めるくらいのものでした。3年前に買ってずっと家の本棚に仕舞ってあったHSK6級の教科書の存在も頭の中にあったので、そろそろ一度受けておくか、といった感じです。
申し込みを済ませてもう後には引けない、教科書の練習問題でも解こうと本を開くと、これは参った。これまでの中国語の運用が日常会話や雑談に終始していたことにより、語彙が偏っていることを思い知らされます。なんとリスニングの正答率が三分の一程度しかありませんでした。読解は七割言ってましたが、読解時に読み方がわからない漢字が出るだけで一瞬詰まります。漢字なんだから読み方なんてわからなくても意味はわかるだろうと思うかもしれませんが、これまでの中国語の運用が会話中心だったので、一度音声に変換しないとなかなか読めません。
そんな状態で本番を迎えました。リスニングと読解はまずまず、しかし最後の問題で焦ります。B5片面の文章を読んでそれを400文字で要約する問題。5分くらいの会話を聞かされてから複数の問題に答えるリスニングとは違って、文章があるなら大丈夫だと思っていたのも束の間、試験官から驚きの言葉が放たれます。
「読む時間を10分与えます。それが終わったら文章を回収します。メモはとらないでください。回収が終わったら35分で要約してください。」
絶望。読んだ内容などすぐに忘れてしまうというのに、その状態で要約など書けるものか。小中高と国語の成績は常に底辺で、高校では赤点までも取るくらいには国語が苦手な私がリスニングや原本無しでの要約など日本語でもできるか怪しいのに、それを第一言語でない言語でやるなどできるはずもない。結局200文字程度で終了。十中八九落ちた。
なるほど、これが最も難しい難易度の試験かと思ったものです。これを読んでいる皆さんは、語学力のほかにも十分に国語力と記憶力を鍛えてから臨んでください。
参考文献
更新履歴
- 2022/12/7
- 記事作成